2024年1月2日の夕方、羽田空港C滑走路で飛行機同士が衝突して火災が発生しました。
これにより羽田空港のすべての滑走路も閉鎖を余儀なくされ、離陸予定だった飛行機は日本航空と全日空であわせておよそ100便が欠航する見通しとなり、また、着陸予定だった飛行機は周辺の空港へのダイバートを余儀なくされました。
これらの状況を受けてJR東海では2日19時50分頃、東海道新幹線で混雑が見込まれるとして臨時列車2本の増発を急遽発表しました。さらに翌3日の5時5分頃、のぞみ号下り4本の増発も発表しました。
Contents
羽田空港火災を受けて2日に増発された東海道新幹線の列車
上りと下りでそれぞれ1本ずつ、合わせて2本が増発されました。増発される列車種別は「のぞみ」でした。
- のぞみ269号(下り)
- のぞみ262号(上り)
この増発列車については2日19時50分頃、JR東海Webサイト内の東海道・山陽新幹線運行状況にて発表されましたが、同時にJR東海公式Xでも発表されました。
【01/02,20:38現在】 本日、お客様混雑が見込まれるため、臨時列車を運転します。添付画像、または、以下のリンクからご確認ください。 #新幹線 #運行情報 https://traininfo.jr-central.co.jp/shinkansen/pc/ja/index.html
東海道新幹線(東京~新大阪)運行情報【JR東海公式】Xより
【01/02,20:38現在】 本日、お客様混雑が見込まれるため、臨時列車を運転します。添付画像、または、以下のリンクからご確認ください。 #新幹線 #運行情報
https://traininfo.jr-central.co.jp/shinkansen/pc/ja/index.html
東海道新幹線(東京~新大阪)運行情報【JR東海公式】Xより
のぞみ269号
東京駅を21時42分に出発する新大阪行きの列車です。
通常時の平日ダイヤでは新大阪行きの最終列車が21時24分発なので、増発される列車は本来の終電出発後に追加される形となりました。
東京(21:42)→品川(21:49)→新横浜(22:00)→名古屋(23:15着/23:16発)→京都(23:49)→新大阪(0:03)
のぞみ262号
新大阪駅を21時50分に出発する東京行きの列車です。
通常時の平日ダイヤでは東京行きの最終列車が21時24分発なので、増発される列車は本来の終電出発後に追加される形となりました。
新大阪(21:50)→京都(22:04)→名古屋(22:37着/22:38発)→新横浜(23:53)→品川(0:04)→東京(0:11)
羽田空港火災を受けて3日に増発された東海道新幹線の列車
下り列車ののぞみ号4本が増発されました。上りの列車は増発されませんでした。
- のぞみ835号(下り)
- のぞみ847号(下り)
- のぞみ883号(下り)
- のぞみ895号(下り)
この増発列車については3日5時5分頃、JR東海Webサイト内の東海道・山陽新幹線運行状況にて発表されましたが、同時にJR東海公式Xでも発表されました。
【01/03,5:05現在】 本日お客様混雑が見込まれるため、普通車全車自由席の臨時列車を運転します。この列車の普通車は自由席特急券でもご着席いただけます。なお、車内販売の営業はありません。お食事やお飲み物等は事前にお買い求めの上ご乗車ください。 #新幹線 #運行情報 https://traininfo.jr-central.co.jp/shinkansen/pc/ja/index.html
東海道新幹線(東京~新大阪)運行情報【JR東海公式】Xより
のぞみ835号
東京駅を9時24分に出発する新大阪行きの列車です。
東京(9:24)→品川(9:31)→新横浜(9:43)→名古屋(11:04着/11:05発)→京都(11:39)→新大阪(11:54)
のぞみ847号
東京駅を10時24分に出発する新大阪行きの列車です。
東京(10:24)→品川(10:31)→新横浜(10:43)→名古屋(12:04着/12:05発)→京都(12:39)→新大阪(12:54)
のぞみ883号
東京駅を11時42分に出発する新大阪行きの列車です。
東京(11:42)→品川(11:49)→新横浜(12:00)→名古屋(13:22着/13:23発)→京都(13:57)→新大阪(14:12)
のぞみ895号
東京駅を12時42分に出発する新大阪行きの列車です。
東京(12:42)→品川(12:49)→新横浜(13:00)→名古屋(14:22着/14:23発)→京都(14:57)→新大阪(15:12)
グリーン車の取り扱いについて
増発された列車は普通車全車自由席でしたが、グリーン車は8〜10号車に設定されていました。ただし、車内で車掌から購入する方式となっていました。
臨時増発便の車内販売について
東海道新幹線では普通車における車内販売は実施されていません。
2023年10月31日をもって、東海道新幹線(東京~新大阪間)のワゴンによる車内販売が終了となりました。グリーン車では引き続き新幹線の車内で飲食物が購入できますが、注文方法が変更され、各席に設置されているQRコードをスマホで読み込む方式となりました。
そのため食料品等は事前に乗車前に購入する必要がありました。また、通常時はグリーン車でのモバイルオーダーによる車内販売を利用することができますが、こちらも営業は中止されておりました。
車内販売がない旨はJR東海もしきりにアナウンスしているようでした。車内販売の終了は2023年10月末だったこともあり比較的最近なので、車内で食料品等を購入できると思われて乗車される方に徹底周知を心がけていたようです。
年末年始のぞみ全車指定席ルールも例外措置で対応
また、座席の取り扱いについても例外措置が取られました。
東海道新幹線では2023~2024年の年末年始の「のぞみ」号を20年ぶりに全席指定席として運行されています。しかし、今回急遽設定されたこの増発列車ではグリーン車を除き全車自由席とし、グリーン車は車内発売としました。
当日の欠航により生じた影響
2日は日本航空では羽田空港を発着する国内線116便が欠航になり、合わせておよそ1万9920人に影響が出ました。また、全日空は国内線110便が欠航となり、合わせておよそ2万3700人に影響が出ました。
羽田空港では全ての滑走路が一時全面閉鎖となったため、着陸予定だった飛行機は近隣の空港にダイバートを行いました。ダイバート先は、成田国際空港に18便、茨城空港に2便、中部国際空港に13便(国内線12便、国際線1便)でした。
JR東海の対応は非常にスピード感のある決断だった
羽田空港での火災は2日の17時47分に発生し、その後すべての滑走路が閉鎖されましたが、JR東海が最初に臨時増発列車を発表したのは19時50分頃でした。
臨時便を走らせるためには乗務する乗務員の手配など確保する必要もあるわけですが、それらの調整も終え、最終的に利用者に周知するまで非常にスピーディだったと感じました。
また、2日に関しては増発の周知から実際の臨時便が出発するまで1時間半程度の時間でした。実際に臨時増発便に乗車された方のXの投稿もあり、乗車率は3〜4割程度だったようです。
東海道新幹線救済臨 のぞみ262号(普通車全車自由席) 名古屋3分遅れで発車 乗車率は3〜4割程度だけど、それだけ救われた人達が居たんだから大きな意味がある臨時列車でした
@rikotannu2 ふーちゃんさん のX投稿より
そのほかの鉄道会社でも増発など緊急対応を実施
他の鉄道会社で行われた緊急対応が行われました。下記の通りです。
- 大阪環状線では最終電車の発車を遅らせる対応
- 関東鉄道では茨城空港にバス車両派遣
- 京成電鉄では深夜時間帯にスカイライナーを増発
大阪環状線では最終電車の発車を遅らせる対応
大阪環状線では最終電車の発車を遅らせましたが、これは東海道新幹線で増発された臨時列車からの接続を行うためでした。
大阪駅発の大阪環状線最終電車、東海道新幹線の臨時列車からの接続を行うため発車を遅らせるらしい
@rk113 yoshi さん のX投稿より
関東鉄道では茨城空港にバス車両派遣
羽田空港の着陸ができなくなり、比較的近い茨城空港にダイバートした飛行機もありました。
これを受け、関東鉄道では同社グループの関鉄バスと関鉄グリーンバスにて茨城空港にバス車両を派遣しました。ダイバートで茨城空港に到着した旅客を21時10分頃までに、すべて常磐線の石岡駅への案内を完了したとのことです。
羽田空港滑走路閉鎖に伴う茨城空港へのダイバート対応のため,関鉄グリーンバス・関鉄バスにおいて車両を派遣しました。 茨城空港からのバスは,スカイマークさんや空港職員さんの指示に従って運行しています。#茨城空港 #石岡駅 #羽田空港
関東鉄道株式会社【公式】Xより
バスを急遽運行してくれた関東鉄道に感謝を表明するX上のポストもありました。
関東鉄道さん? 間違ってたらごめんなさい。 茨城空港〜石岡駅まで迅速な対応を頂きありがとうございます。 特急に乗って羽田空港の駐車場まで無事に帰れそうです。 #関東鉄道
@25ugug25 えめっちさんの X投稿より
京成電鉄では深夜時間帯にスカイライナーを増発
京成電鉄は事故に伴う成田空港の混雑を懸念し、25時台に成田空港駅から京成上野駅へ向かうアクセス特急(スカイライナー)を緊急で増発しました。なお、本来この時間帯に発車する電車は存在しないので、この対応は異例です。