小海線は、山梨県の小淵沢駅から長野県の小諸駅までを結ぶ非電化鉄道路線です。この路線は中央本線とも接続しており、豊かな自然に囲まれた風景を楽しむことができるため、多くの観光客に人気があります。小海線は南に八ヶ岳を望むことから、「八ヶ岳高原線」という愛称で親しまれています。
小淵沢駅からの出発
小海線の起点となる小淵沢駅では、中央本線と並んでホームが設けられています。この駅から出発する小海線の列車は、しばらくの間中央本線と並走します。その後、大きな右カーブを描き、180度方向を転換して自分が走ってきた方向へ戻るように進んでいきます。この右カーブは周囲の家々よりも少し高い位置を通過するため、その光景は非常にダイナミックで圧巻です。
JR鉄道最高地点
小海線で最も注目されるポイントは、JR鉄道最高地点があることです。この最高地点は標高1375mに位置し、日本のJRに所属する鉄道路線の中で最も高い場所にあります。
この最高地点は清里駅と野辺山駅の間にあります。この地点にはちょうど踏切があり、そこに勾配標が設置されています。この勾配標が一応の目印となっており、この地点を境に上りと下りが切り替わります。
多くの鉄道ファンや観光客がこの地点を訪れ、その高さを実感しています。また、野辺山駅自体も標高1345mであり、JR線の中での標高最高駅として知られています。
HIGH RAIL 1375(ハイレール 1375)
小海線には、JR鉄道最高地点1375mの名前を冠した観光列車「ハイレール1375」が運行されています。この列車は「星空が近づく感動が広がる天空に一番近い列車」というキャッチコピーで、その魅力をアピールしています。星空案内人による星空観察会も開催されるため、天空に一番近い場所で美しい星空を楽しむことができます。
星空観測
HIGH RAIL 1375が運行されていることからも分かる通り、JR鉄道最高地点周辺はその標高の高さから、星空がよく観察できるスポットとしても知られています。野辺山駅と清里駅の中間には、世界一の精度・大きさのパラボラアンテナを備えた「国立天文台野辺山宇宙電波観測所」があります。 巨大なパラボラアンテナの直径はおよそ45mにも達する電波望遠鏡です。 宇宙電波望遠鏡としては世界一の精度を誇ります。
この巨大なパラボラアンテナは小海線の車窓からも見ることができ、小淵沢駅側から小諸駅方面に進んでいる場合は野辺山駅到着前に車窓右側から眺めることができます。
ディーゼル気動車の魅力
小海線は非電化路線であり、ディーゼル機動車が走る路線です。そのため、列車の頭上に架線がなく、空が広く開けているのも特徴の一つです。これにより、星空や自然の景観をより一層楽しむことができます。
実際の日本一高い鉄道路線
ところで、先ほどからJR鉄道最高地点と言っていますが、このJRが気になります。実は日本で最も高い鉄道路線は別の場所にありまして、それが立山黒部観光の室堂駅です。それでJRの中で最高地点だと言っていたのでした。
室堂駅の標高は2450mで、野辺山駅の最高地点よりもさらに1000mも高い位置にあります。立山黒部観光鉄道の立山トンネルトロリーバスは、河川から電力を得て運行される無軌条電車です。見た目はバスに似ていますが、実はこちらも鉄道として扱われています。しかし、この路線は「線路を走る鉄道」ではないため、鉄道ファンの間では野辺山の地点が日本の鉄道最高地点と認識されることが多いです。
結論
小海線はその美しい風景とJR鉄道最高地点という特別な魅力を持ち、多くの人々に愛されています。鉄道ファンや自然愛好家にとって、野辺山駅や最高地点を訪れることは特別な体験です。次の旅行では、ぜひ小海線に乗って、日本の最高地点を体感してみてはいかがでしょうか?