東京ディズニーランドのウエスタンリバー鉄道が性能検査の有効期限が切れた車両を運行していた件について

東京ディズニーランドの入り口

東京ディズニーランドのアトラクションの1つにウエスタンリバー鉄道があります。実は日本で定期運行されている現存する唯一の蒸気機関車です。

1983年の東京ディズニーランドオープンから存在している貴重なアトラクションです。アトラクションに乗ると機関車の説明および沿線に関するナレーションを聞くことができます(CV:青野武)。そこでも触れられていますが、ウエスタンリバー鉄道は本物の蒸気機関車を使っています。そのため機関車のボイラー性能を定期的に確かめる検査が義務付けられており有効期限も設定されています。

しかしこの度、この有効期限が切れた状態の車両を運行していたとのことです。2023年6月9日に東京ディズニーランドを運営するオリエンタルランドが発表し、また謝罪しました。

ウエスタンリバー鉄道の車両で有効期限が切れていた車両は?

ウエスタンリバー鉄道では合計4両の機関車を保有しています。それぞれアメリカを流れる河の名前にちなんで「ミシシッピ号」「リオ・グランデ号」「ミズーリ号」「コロラド号」と呼ばれており、それぞれ緑色や赤色など異なるカラーリングが施され、ゲスト目線でも違う機関車だとすぐに区別することができます。今回話題に上がっている性能検査の有効期限が切れていた機関車は「ミシシッピ号」でした。カラーリングで言うと青色の機関車です。

ウエスタンリバー鉄道の車両の有効期限はどのくらい過ぎていた?

ボイラーの性能検査有効期間は2023年5月18日でした。しかし、2023年6月6日の朝、有効期限が切れているにも関わらずミシシッピ号の機関車が2023年6月5日までの19日間運行していたことが判明しました。事実が発覚してすぐにミシシッピ号は運行を中止され、2023年6月10日現在も中止されているようです。

他の3台の機関車に関しても有効期限のチェックがなされ、その結果は問題なしでした。ミシシッピ号が運行中止している間は他の3台の機関車を使用して運行がされています。

ウエスタンリバー鉄道の車両が有効期限切れの間に利用した人数がすごい

有効期限が切れている期間に利用したゲストの人数は、58,069人と発表されています。この数字、プレスリリースの文面を見る限り、有効期限が切れている当該機関車に牽引される客車に実際に乗ったゲストの数だと思いますが(機関車別に集計しているのかな?アトラクション入口でカウンターを持ったキャストがいるので人数はそれで把握しているのだろう)、19日間で多くのゲストが利用している事実にはびっくりしました。

ウエスタンリバー鉄道の車両が有効期限切れとなっていた原因

今回の発生原因ですが、ボイラー性能検査の有効期限を誤って認識しており、その誤った認識に基づいてボイラー整備の計画を立てていたことが原因でした。また、ボイラー性能検査の誤った計画をチェックする管理体制にもなっていなかったようです。

まとめ

東京ディズニーランドは何十年と運営しているのに、その絶大な人気にこれといった衰えは全く感じられません。これは時代に合わせた数々の企業努力の結果でありましょう。その甲斐あって、平日休日祝日に関わらず常に多くのゲストが訪れて楽しい時間を過ごしています。

だからこそ、今回のようなルールの不徹底という事実が発覚した場合の影響度合いはかなり大きく、発覚するまでの期間に利用していた人数も凄まじい数になります。

ちなみに、オリエンタルランドではパーク運営の行動規範「The Five Keys~5つの鍵~」を設定しています。その中でも「Safety(安全)」が一番先頭に来ていることからも分かる通り、サービス運営する中では安全性をかなり重視しています。

ディズニーテーマパークでは、Safety(安全)、Courtesy(礼儀正しさ)、Inclusion(インクルージョン)、Show(ショー)、Efficiency(効率)という5つの行動基準を設けています。

オリエンタルランド「パーク運営の基本理念」

パーク運営の基本理念|東京ディズニーランド|株式会社オリエンタルランド

下記の通り、プレスリリースを締めくくる言葉でも事態をかなり重く受け止めていることが分かります。

このような事態を発生させ、当該アトラクションをご利用のゲストをはじめ多くの皆様にご迷
惑をおかけしたことを心よりお詫び申し上げます。
今回の事態を厳粛に受け止め、今後、管理体制を強化して再発防止に努めてまいります。

株式会社オリエンタルランド「東京ディズニーランド®「ウエスタンリバー鉄道」における
「ボイラー性能検査」の有効期限切れでの運行について」

今回発覚した性能検査の有効期限が切れた機関車を使用し続けていたことは安全面から言ってかなりの問題がありますが、プレスリリースで発表している時間経過などが全て正しいのならば、事実に気付いた後の対応は非常に真摯であった印象を受けます。隠蔽工作などはもっての他ですが、今回はそのような事実はありません。

個人的には、ウエスタンリバー鉄道がすごく好きだし、これからもずっと運行してもらいたいと思っています。今回の事実は非常に残念ですが、ちゃんと再発防止をして頂いた上で応援していきたいです。次回ゲストとして東京ディズニーランドに行くときは、ウエスタンリバー鉄道にも乗って楽しみたいと思います。

ご閲覧ありがとうございました。