雪には、人を惹き付ける魅力がある。
鉄道には、旅情を演出する魅力がある。
雪と鉄道、2つを兼ね備えた旅行は情緒に溢れ、日々の仕事ですっかり蓄えてしまった疲れも一気にリフレッシュできるはず。
雪の多い地域と、少ない地域。
それぞれに住む人々の雪に対するイメージには、とても大きなギャップがあるように感じる。雪国の人々にとって雪はとても厄介な存在だろうが、雪がほとんど降らない地域である都区内にいる人間にとっての雪は、エンターテイメントそのものなのである。
案外、都区内から雪を見に行くハードルは低い。
基本的に都内から出るどの路線も列車の本数が大変多いので、遅めの出発でも余裕を持てる日程で、日帰りで戻ってこれるのだ。
これらの本数の多い路線の中で、雪国へのアクセスに大貢献してくれているのが、高崎線である。今回は高崎線と、その先にある雪の多い区間を走行する上越線を利用して、車窓の雪を楽しむ旅をご紹介する。
- 心身ともにリフレッシュしたい方
- 日常の中で、あまり雪が見れてない方 or 見たい方
- 鉄道に揺られて癒やされたい方
都内から雪を見に行く
さて、都内から雪国へ運んでくれる路線ですが、前述の通り高崎線がおすすめです。古くから高崎線は、都心と郊外を結ぶ路線として大活躍で、通勤の足として非常に重宝されているのです。そのため、15両という超大編成の列車が行き交い、また、一日を通して運行本数も非常に多いのです。
高崎線の先に、上越線あり
高崎線の終点である高崎駅。ここを起点として、雪の多い地域を抜けて新潟までを貫き走っているのが、上越線です。
ところで、ある小説にでてくるこんな一節を聞いたことがあるでしょうか。
「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」
この一節、耳にされたことがある方も多いと思います。川端康成著『雪国』の書き出しでよく知られている一節です。この小説の舞台がまさに、水上から湯沢に抜ける上越線の清水トンネルだと言われているのです。
『雪国』の主な舞台は、上越国境の清水トンネルを抜けた湯沢温泉であるが、この作品も『伊豆の踊子』同様に、川端の旅の出会いから生まれたもので[2]、雪中の火事も実際に起ったことだと川端は語っている[8]。川端は作品内で故意に地名を隠しているが、1934年(昭和9年)6月13日より1937年(昭和12年)まで新潟県湯沢町の高半旅館(現:雪国の宿 高半)に逗留していたことを随筆『「雪国」の旅』で述べている[9]。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9B%AA%E5%9B%BD_(%E5%B0%8F%E8%AA%AC)
上越線は利根川に沿って線路が通っており景観も素晴らしく、険しい山岳地方を貫くために鉄道施設にも様々な工夫がなされているため、鉄道マニアにとっても人気の路線なのです。
上越新幹線開業以前は多くの在来線特急列車が走ってましたが、現在は普通列車のみの運行となっています。
土日祝日には、今では珍しくなった蒸気機関車が運行されており、活況を呈します。
https://www.jreast.co.jp/railway/joyful/slgunma.html
上越線で雪見の旅
旅の行程は下記のような感じです。
- 池袋→高崎(湘南新宿ライン・高崎線)
- 高崎→水上(上越線)
- 水上→越後湯沢(上越線)
- 越後湯沢駅で休憩
- 越後湯沢→東京(上越新幹線)
旅は池袋から始まります。
JR線のみを使って越後湯沢までいき、新幹線で東京に帰ってくるシンプルプランです。
1.池袋→高崎(湘南新宿ライン・高崎線)
BECK’S COFFEEで時間つぶし
高崎まで直通してくれる特別快速まで時間がありました。
そこで、池袋駅構内(改札外)にあるBECK’S COFFEEで作業することにしました。
コンセントが完備され便利です。
せっかくなのでグリーン車で!
高崎まではせっかくなのでグリーン車で行くことにします。
僕はiPhoneを使っていますが、アプリからサクッサクッと購入できました。
iPhoneをタッチするだけで完了。便利ですね。
平日の10時頃でもそれなりに人が乗っています。
ただポツポツと空席はあります。2階席の一番後ろを陣取れました。
大宮を過ぎると、乗っていた人々も段々と降りていきました。
グリーン車内でちょこっと作業
高崎までしばらくかかるので、ちょこっと作業することにします。
景色につい気を取られますが、作業しやすい。
ここらへんは関東平野って感じですね!広々とした景色が過ぎ去ります。
高崎駅が近づいてきました。
駅直前に高崎車両センター高崎支所があります。
2.高崎〜水上
高崎駅到着!
1時間40分ほど乗車して、高崎駅に到着しました。
高崎駅からは、いま乗ってきた高崎線とこれから乗る上越線のほか、信越本線、八高線、両毛線、吾妻線と、私鉄の上信電鉄などなど、多くの路線が乗り入れています。昔も今も、交通の要衝です。
ここからいよいよ上越線に乗ります。
向こうのホームに止まっている211系が、これから乗るべき列車のようです。
時刻は「12:00」。
5番線から発車する、水上行きに乗り換えます。
高崎始発の列車ですが、車内はほどほどに混んでいました。
と言っても都内の混雑とは比較にもなりません(笑)。
1両に20人くらい?かなって感じです。
まばらに席が空いているので確実に座れます。
時刻は「12:02」。
高崎を出発しました。
高崎を出たばかりの頃は全く雪はなかったですが、徐々に残雪が見え始めました。
さらに進み、どんどんと雪が目立つようになってきました。
3.水上〜越後湯沢
水上駅到着!
高崎駅から1時間ほどの乗車時間で、水上駅に到着しました。
乗ってきた211系は、その昔、東海道本線などの首都圏近郊でも活躍していた車両です。
211系にもお別れし、上越線に乗るため跨線橋を渡ります。
ここからは、E129に乗り込みます。
デビューしたのは2014年らしいのでもう7年も経っていますが、個人的にはまだまだ新型車両ってイメージです。
JR東日本E129系電車
綺麗な車内に、トイレも付いています。
最初ほとんど乗客はいなかったので「もしや貸し切り状態…!?」と淡い期待をしたのも束の間、
発車直前に3名ご乗車になられました。
まあ、ほかに人がいるのも良いもんです。
しばらくすると、列車は「もぐら駅」として有名な土合駅に到着しました。
土合駅については下記のサイトが詳しいです。
ここは地上に出るまでに462段の階段を登る必要があり、改札まで10分ほどかかる駅として有名です。
平日にも関わらず観光客がいらっしゃるようです。驚きました。
ホームから出口まで10分かかる駅、なぜ誕生? それを楽しむ列車も
近いうちに、土合駅にも降りようと決意したのでした。
再び、長いトンネルを抜けていきます。
ここらへんの雪、すごいですね…
天気は晴れていたものの、さすが雪国。
3.越後湯沢駅を満喫する
越後湯沢に到着!
列車はついに越後湯沢駅に到着しました。
こちらで下車します。
ここまで乗ってきたE129系にもお別れ。
ちょこっとホームを散策してみます。
越後湯沢駅にはホーム上に温泉が湧いているのです。
ほくほく線が発着する0番線。
「なぜ0番線?」と思った方、下記サイトが詳しいです。
https://trafficnews.jp/post/96993/2
エスカレーターで2階に上がり、コンコースの方も散策します。
遠くに雪化粧した山々が見えます。美しい。
3番線より奥には入れないようになっていました。
平日の昼間なのもあるでしょうが、全く人気(ひとけ)がありません…
列車が来るまでは、みんな別の待合室的なところで休んでいるのでしょうか。
せっかくなので、駅の外にも出てみます。
こちらには足湯がありました。
さすがに使っている人はいないですね(笑)
温かそうでしたが、入るのはまた今度にします。
大体散策したので、そろそろご飯にします。
越後湯沢に来たら食べたいと思っていたものがありました。
越後湯沢名物、『爆弾おにぎり』を食す。
この越後湯沢駅にはおにぎり屋さんがありますが、ただのおにぎりじゃないんです。
越後湯沢には雪ん洞の『爆弾おにぎり』があります。
『大爆おにぎり』¥2200
なんと四合もあります。胃袋の大きさを無視しています。
こちらには、なんと大爆おにぎりを完食された方のチェキが掲示されていました。
おにぎりは普通にめっちゃ美味しいので、機会があれば僕も挑戦したい(笑)
イートスペース併設なので、こちらですぐに食べることができます。
普通サイズ(といっても爆弾サイズ)の明太子を頂きました。
お味噌汁付きです。美味しそう…
時間をかけてここまで来る甲斐ありました。超美味しいです。
今はコロナもあるので考慮の余地ありですが、手に持って頬張るのが個人的なお勧めの食べ方です。
食べ方が下手だと悲惨なことになりますが、お箸付きですのでご安心ください(笑)
ぽんしゅ館を後にします。
4.越後湯沢〜東京
楽しいひと時もあっという間、そろそろ東京に帰りましょう。
来た道を同じ鈍行列車で戻ってもいいのですが、今回は新幹線で帰ることにしました。
越後湯沢〜東京間で¥6,260。決して安くはない。
新幹線の越後湯沢駅もなかなか大きい駅です。
東京行きのE4系が来ました。
この車両は、2021年秋頃に引退することが決定されています。
当初は2020年度末までの予定でした。
しかし、令和元年東日本台風による千曲川の氾濫で、E7系とW7系の10本計120両が水没、廃車となったため、延命されています。
この車両とももうすぐお別れかと思うと、これが最後の乗車かもしれません。
小学生の頃、ガーラ湯沢でスキー行くときにも乗った思い出深い車両です。
と、揺られているうちに強烈な睡魔に襲われます、、、、、
東京駅に到着!
乗車時間の半分以上を寝落ちし、気がついたら東京駅でした。
なんかもったいないような、有意義なような…
E4系の写真を撮っときます。
オール2階建てで、最大で16両も繋いで240キロで走るなんて、人間の技術力の高さに圧倒されます。
まとめ
あっという間の雪見旅でした。
列車に揺られて景色を見ながら旅してると、普段仕事や家事などに追われて忘れてしまっている、日本の美しさを思い出します。
車内から見える雪景色はホントに壮観で、自然の畏怖を感じさせてくれます。上越線は都内からでもアクセスしやすい路線ですので、気分転換に日帰り旅行が簡単にできるし、個人的におすすめです。
最後までご閲覧頂き、ありがとうございました。