デザインで黒を使わない?【結論:使うけど、注意しよう】

だにえるぶろぐのカバー画像

こんにちは、ダニエルです。
下記のお悩みございませんか?

デザインで黒色を使わないのはどうして?黒色は使わないって聞いたけど、いったいなぜ?気をつけるべきポイントを具体的に知りたいです。

結論、黒は使います。
しかし、使い方に注意が必要です。

この記事の執筆者

私はフリーランスのWebデザイナーとして活動しています。
以前まではWeb制作会社に勤めており、これまでリーフレットなどのグラフィックデザインからWebサイト制作まで幅広く制作を行なってきました。また、大手WebデザインスクールにてWebトレーナーとして活動しています。

この記事の内容

  • デザインにおいて黒は重要。
  • しかし「そのまま使うと問題を引き起こす」ことがある。
  • Webで黒を使うなら、視認性・ユーザビリティに注意する。
  • 印刷で黒を使うなら、写りの問題に注意する。
  • 黒は強力なデザイン要素になる。

デザインで黒を使わない?【結論:使うけど、注意しよう】

黒色はデザインにおいて欠かせない重要な要素です。

そして、「真っ黒」は使わないほうが良いともよく言われます。実は、黒を使っていけないわけではなく、正しく使うための注意ポイントがいくつかあるのです。

Webデザインと印刷デザインとで、それぞれ黒の注意ポイントが違います。それぞれお話しします。

  • Web制作における黒
  • グラフィック(DTP)における黒

Web制作における黒

Webデザインでは、純粋な黒(#000000)を使うのは一般的に避けるべきだと言われています。

理由は、コントラストが強すぎるからです。

コントラストが強すぎると、目に大きな負担がかかってしまいます。つまり、チカチカして目が疲れてしまうので、読みにくいWebサイトになってしまうのです。

特に、真っ白な背景(#ffffff)で真っ黒(#000000)を使うと、色のコントラストが強すぎて読みにくくなってしまいます。目がチカチカして疲れてしまいます。

解決策:ダークグレーを使う

上記の理由から、Webサイトでは真っ黒(#000000)は使用せず、代わりにほんの少し明るいダークグレーを使うことがほとんどです。

極端な話、#000000さえ避ければどのダークグレーを使ってもOKです。

よく使うダークグレーは?

下記のコードをよく使います。

#333333

適度な柔らかさを出しつつ、濃いグレーを表現できる上記のコードが非常に人気です。

コードでのグレーの作り方

6桁すべてを同じ文字にすると、自動的にグレーになります。

例)#111111、#dddddd、#777777

グラフィック(DTP)における黒

印刷物のデザインでも、黒の扱いには注意が必要です。

印刷ではインクで色を表現します。
同じ「黒」でもファイル上の設定によって仕上がり時のトラブルが生じることがあります。

黒の設定方法は3種類あります。下記のとおりです。

  • 墨ベタ
  • リッチブラック
  • 4色ベタ

1つずつ見ていきましょう。

墨ベタ

墨ベタとは、シアン・マゼンタ・イエローを含まず、K(黒インク)1色だけで吸った黒のことです。文字や細かい線など小さな要素を印刷するのに適しています。

ただし、広い面積をこの墨ベタで塗りつぶすと、印刷時に自動で適用されるオーバープリントにより、下地の色が透けて見えてしまうことがあります。

またインク1色だとムラが出やすく、細かなピンホール上の色抜け(白い点々)が発生しやすいという欠点もあります。これらを防ぐため、墨ベタを使いたい場合でもK=100%のオブジェクトに他のインクを1%だけでも混ぜておくのが有効です。(一般的にはシアンを混ぜることが多い)。

リッチブラック

リッチブラックとは、C・M・Y・Kの全てを掛け合わせて作る深い黒です。

例えば、C40%+M40%+Y40%+K100%のように各色をバランス良く混ぜることで、墨ベタよりも濃く締まった黒を表現できます。

高級感のある美しい黒に仕上がる一方、4色の版を重ねるため印刷時に見当ズレ(版ズレ)を起こしやすいというデメリットがあります。

そのため、細かな文字や線をリッチブラックで印刷すると輪郭がにじんだり、僅かなずれで色味がズレて見える場合があるため不向きです。

4色ベタ

4色ベタとは、C・M・Y・Kすべてを100%使った最も濃い黒です。

配合比率は「C100%+M100%+Y100%+K100%」となり、理論上はリッチブラック以上に深い真黒が得られます。

しかしインク量が非常に多くなるため、乾きが極端に悪くなって用紙同士が貼り付く、裏面にインクが転写(裏移り)してしまう、といったトラブルの原因になります。

濃度が高すぎて紙に負担がかかることから印刷会社では通常4色ベタの使用は推奨しておらず、入稿データで見つけた場合は自動でインク濃度を下げる処理を行うこともあるほどです。

デザインにおける黒の扱いについて知っておくべきこと

黒の効果

黒は適切に使えばデザインに力強さ可読性を与える強力な色です。黒を基調にするとビジュアルのインパクトが増し、ブランドイメージに高級感重厚感洗練シンプルさを持たせることができます。

また黒は他の色との対比を際立たせるため、明るい差し色や画像を引き立てる背景としても有効です。特に余白(ホワイトスペース)と組み合わせれば、モノトーンの配色でもモダンで洗練された印象を与えることができます。

黒をどう表現するべきか?

デザイン上で黒を活用する際のポイントをまとめます。

  • 画面上では純黒を多用しない
  • コントラストと可読性に配慮
  • デザイン意図に合わせた黒を選ぶ

最後にここまでの内容をまとめます。

  • デザインにおいて黒は重要。
  • しかし「そのまま使うと問題を引き起こす」ことがある。
  • Webで黒を使うなら、視認性・ユーザビリティに注意する。
  • 印刷で黒を使うなら、墨ベタ問題に注意する。
  • 黒は強力なデザイン要素になる。

以上です。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。